この記事は、楽天証券で購入できる米国のBDC銘柄7つを詳しくまとめたものになります。
BDCとは、Business Development Companiesの略で中小企業・ベンチャー企業などへ融資や投資をする会社になります。
このBDC銘柄の最大の特徴は「配当利回り7~10%超え」と高配当ということです。
その反面、金融危機には脆く株価が下がりやすいという特徴もあり、ハイリスク・ハイリターンの銘柄です。
目次
高配当を出し続けるBDCとは?
BDC銘柄とは【Business Development Company】の略で、事業開発会社のことでいわゆる投資会社です。
- 新産業や有望なベンチャー企業の事業開発へ投資
- 金銭面だけではなく、経営面でもサポートしている
- ベンチャー企業などは一般企業に比べて銀行からの融資を受けにくく、BDCが投資することにより大きなリターンを得ている
- 投資先の企業を上場させることでさらなるリターンを得る
- 1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えなければいけない
- 資産の70%を適格投資対象(時価総額2.5億ドル以下の未公開企業の株式、ローン、債券など)に投資しなければならない
なぜ配当利回りが高いの?
BDCは、利益の90%以上を投資家への配当にすることによって、法人税を免除することができます。
つまり投資家がBDC企業に投資することで、そのお金で未上場のベンチャーなどに投資し、その高いリターンを投資家へ還元してくれるという仕組みになります。ですので、必然的に高配当になるということです。
楽天証券で買える米国BDC銘柄7選
楽天証券で購入できるBDC銘柄は下記7つになります。
- ARCC:エイリスキャピタル
- ORCC:オウルロックキャピタル
- MAIN:メインストリートキャピタル
- PSEC:プロスペクトキャピタル
- HTGC:ハーキュリーズキャピタル
- BBDC:ベアリングスBDC
- NEWT:ニューテックビジネスサービシズ
ARCC:エイリス・キャピタル
おすすめ度 | ◎ |
配当利回り | 9~11% |
配当月 | 1,4,7,10月 |
配当の安定性 | 〇 |
株価 | 横ばい |
ARCCは、1997年に設立され、BDC銘柄の中では時価総額1位の代表的な銘柄になります。
- 80%がシニアローンの底堅いポートフォリオ
ARCCは、ポートフォリオの80%がシニアローンと5%が優先株式です。さまざまな産業・地域へ分散投資もされていますので、安定的に利益、配当を出さています。
- 配当再投資込みのトータルリターンはS&P500超え
株価自体は横ばいを推移していますが、配当利回りが高いため配当金再投資を行っていればトータルリターンはS&P500を超えます。
- リーマンショック時の下落率は77%、しかし減配はそこまで
BDCは金融危機には非常に脆く株価の下落率が高いです。
ARCCもリーマンショック時77%の下落、S&P500は50%の下落と差はあります。しかし配当に関しては、少し減配にはなっていますが基本的には毎回の配当額は安定していました。
【ARCC】エイリス・キャピタル BDC銘柄 配当利回り9%超えの超高配当株ORCC:オウル・ロック・キャピタル
おすすめ度 | 〇 |
配当利回り | 8~10% |
配当月 | 2,5,8,11月 |
配当の安定性 | ◎ |
株価 | 横ばい~少し上昇傾向 |
ORCCは、2019年7月に上場したばかりのBDCです。
- ポートフォリオの97%がシニアローン
ARCC同様、ほとんどがシニアローンになります。またそのうちの80%は「第一抵当権付きローン」と最優先部分になりますので、他の債権に比べると返済順位が高く、ローリスクで回収できます。
財務的にも売上・利益は年々右肩上がりになっています。
- 上場から日が浅いが、配当は安定
年月 | 配当(ドル) |
2021年2月 | 0.39 |
2020年11月 | 0.39 |
2020年8月 | 0.39 |
2020年5月 | 0.39 |
2019年2月 | 0.39 |
2019年11月 | 0.39 |
上場してから現在までの配当額は変わっておらず、安定してるといえます。まだ上場後日が浅いので今後どうなるかは不透明です。
【OBDC(旧ORCC)】BDC銘柄で配当利回り10%のオウル・ロック・キャピタルMAIN:メイン・ストリート・キャピタル
おすすめ度 | ◎ |
配当利回り | 6~8% |
配当月 | 毎月 |
配当の安定性 | ◎ |
株価 | 右肩上がり |
MAINは、2007年に設立し2010年に上場した投資会社です。
- かなり分散が効いたポートフォリオ
上の図を見てもらえばわかる通り、数多くの産業に投資し、地域別にみても均等に分散投資されています。MAINをひとことでいうと「アメリカの中小企業全体のインデックス」というイメージになります。
ですので、株価は高配当株にも関わらず右肩上がりですのでキャピタルゲインも狙えます。
- トータルリターンはS&P500の2.5倍
過去13年間のトータルリターンを表したグラフになります。紺色:MAIN 赤:S&P500
MAINのトータルリターンはS&P500を大きく超えています。ベンチャー企業への投資よるリターンや広く分散されたポートフォリオに起因するものと思います。
しかし下落率の大きさも一目瞭然で、リスクの大きさはしっかり把握しておきたいです。
- 配当利回り6~8%と他のBDCに比べ低め、しかし増配傾向
広く分散されているのもあり配当は非常に安定しています。しかし、他のBDCでは10%近くある配当利回りもMAINは6~8%と低めで、これは株価が上がっていますのでその分配当利回りが低めになってしまうからです。
しかし、少しずつではありますが年々増配されていますので、良い銘柄といえます。
【MAIN】メイン・ストリート・キャピタル BDC銘柄・毎月配当・S&P500超えのトータルリターンPSEC:プロスペクト・キャピタル
おすすめ度 | ✕ |
配当利回り | 10~14% |
配当月 | 毎月 |
配当の安定性 | △ |
株価 | 右肩下がり |
PSECは、2004年に設立された割と歴史ある米国のBDCです。
- ポートフォリオの3割が、債権と不動産投資
39産業・205の投資先に分散投資されており、上位3割は債権と不動産(REIT)になります。
- 株価は右肩上がり、配当も減配傾向、財務的にも年々悪化
※みんなの米国株サイト (usa-kabu.com)より引用
財務状況も年々悪化しており、それに伴い配当も減配しています。コロナショック後からは株価が上がってきていますが、今後成長していけるかは不透明です。
- 配当利回り「10~14%」と他のBDCと比べ高め、毎月配当も魅力
株価が下がっていますのでそれに伴い、配当利回りも高めになっています。配当利回りだけをみればBDCの中でもトップクラスになりますが、長期的に安定した配当を得たいという方にとっては減配リスクがありますので、あまりおすすめできません。
【PSEC】プロスペクト・キャピタル 配当利回り11%以上のリスクあるBDC銘柄HTGC:ハーキュリーズ・キャピタル
おすすめ度 | 〇 |
配当利回り | 9~11% |
配当月 | 2,5,8,11月 |
配当の安定性 | ◎ |
株価 | 上昇と下降の繰り返し |
HTGCは、2003年12月に設立された非銀行専門金融会社です。ベンチャー企業に特化してシニア担保ローンの提供をしている特徴があります。
- 主にテクノロジー業界へ投資
全開発段階にある技術、バイオテクノロジー、ライフサイエンス、エネルギー及び再生可能エネルギー技術等の技術関連業界へ投資しています。ZOOMも対象の企業でした。
- 安定した配当
増配傾向はありませんが、安定した配当を見込めます。
株式投資ではなく、担保ローンでの貸し付けになりますので利益確保が安定していると思います。配当再投資時のトータルリターンはS&P500より上ですが、ARCCやMAINに比べるやや下がります。
【HTGC】BDC銘柄で配当利回り8~11%のハーキュリーズ・キャピタルBBDC:ベアリングスBDC
おすすめ度 | ✕ |
配当利回り | 7~10% |
配当月 | 3,6,9,12月 |
配当の安定性 | △ |
株価 | 右肩下がり |
BBDCは、2006年に設立されたクローズドエンド型の非分散型投資会社です。主に低価格帯のミドルマーケット企業への融資等を行っています。
- 配当利回りが低め、安定性もそこまで
配当推移をみても、増配や減配を繰り返しており配当の安定性はそこまでありません。加えて配当利回りも現在は7%と他と比べても低めですので、ほかのBDCに投資したほうが良いと思います。
【BBDC】ベアリングスBDC 配当利回り7%のBDC銘柄NEWT:ニューテック・ビジネス・サービシス
おすすめ度 | 〇 |
配当利回り | 8~13% |
配当月 | 1,4,7,10月 |
配当の安定性 | △ |
株価 | 右肩上がり |
NEWTは、1998年にニューヨークで設立し、NASDAQに11年上場し続けているわりかし歴史あるBDCです。
- 投資先の企業にビジネスサービスの提供、かつ事業運営を注意深く監視
商店向け電子決済処理、給与計算、福利厚生ソリューション、保険、データバックアップなど多種多様なサービスを提供し、そこからも収益を得ています。各企業の経営面においても管理が行き届いてます。
- 配当の安定性はないが、配当利回りが高め
配当の額が毎回変わるほど安定性はありませんが、財務的には年々上がっていますので増配傾向にはあります。
これは、NEWTの投資先がハイテクやテクノロジー系のため配当額は安定していないが、成長性が高い企業への投資になりますので今後の増配は期待できそうです。
- 株価も右肩上がりで、キャピタルゲインも狙える
NEWTの投資先がハイテクやテクノロジー系ということもあり、成長性が高い企業になりますのでそれに伴い株価も上昇傾向にあります。トータルリターンはS&P500より高いのよい投資先といえます。
【NEWT】BDC銘柄で配当利回り10~13%のニューテック・ビジネス・サービシズBDC銘柄投資する際のポイント
- BDC銘柄を購入できるネット証券は「楽天証券」のみ
SBI証券ではBDC銘柄の取り扱いはありません。
マネックス証券では以前多数の銘柄を取り扱っていましたが、2020年11月13日からBDC銘柄の取り扱いを停止されてしまいました。理由としては、BDC銘柄を取り扱う場合金融庁へ届出が必要にも関わらず、届出が出ていなかったためです。
- 下落時に購入できれば大きなリターンが得られる
BDC銘柄は、金融危機時は株価の下落率が高めです。その反面、下落時のタイミングに多く買うことができれば大きなキャピタルゲインとインカムゲインを取れる可能性もあります。リスクをチャンスと思って買うには良い銘柄です。
- リスクが取れない人はポートフォリオの10%以内に抑えておく
BDCは金融危機時の下落率の高さから一気に資産額が下がってしまうリスクもありますし、銘柄によっては減配リスクもあります。
ハイリスク・ハイリターンの投資先になりますので、自分がリスク許容度をしっかり理解し投資してほしいです。リスクがあまりとりずらい方は、ポートフォリオの10%以内がおすすめです。
まとめ
- BDCは、中小・ベンチャー企業へ投資や融資をしている
- 配当利回り10%近い銘柄もある
- ARCC、MAIN、NEWTがおすすめ
- 金融危機には下落率50%以上はある
- ネット証券だと、楽天証券のみで購入可能
BDCは、ハイリスク・ハイリターンにはなりますが、それぞれの銘柄の特徴を理解したうえで、ポートフォリオに組み入れて高配当を得るには良いと思います。
以上、楽天証券で買える米国BDC銘柄7選でした。参考になれば幸いです。
Have a nice save!