本記事では、BDC銘柄である【HTGC】ハーキュリーズ・キャピタルについてまとめたものです。
米国のBDC銘柄は、ほとんどが配当利回り「10%」を超える高配当株になります。よりインカムゲインを得るには非常に魅力ていきな銘柄です。
今回は、楽天証券で買える数少ないBDC銘柄のひとつである【HTGC】ハーキュリーズ・キャピタルについて詳しく解説していきます。配当利回りは驚異の「8~11%」です。
高配当を出し続けるBDC銘柄とは?
BDC銘柄とは【Business Development Company】の略で、事業開発会社のことでいわゆる投資会社です。
- 新産業や有望なベンチャー企業の事業開発へ投資
- 金銭面だけではなく、経営面でもサポートしている
- ベンチャー企業などは一般企業に比べて銀行からの融資を受けにくく、BDCが投資することにより大きなリターンを得ている
- 投資先の企業を上場させることでさらなるリターンを得る
- 1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えなければいけない
- 資産の70%を適格投資対象(時価総額2.5億ドル以下の未公開企業の株式、ローン、債券など)に投資しなければならない
なぜ配当利回りが高いの?
BDCは、利益の90%以上を投資家への配当にすることによって、法人税を免除することができます。
つまり投資家がBDC企業に投資することで、そのお金で未上場のベンチャーなどに投資し、その高いリターンを投資家へ還元してくれるという仕組みになります。ですので、必然的に高配当になるということです。
ハーキュリーズ・キャピタル(HTGC)の概要
HTGCは、2003年12月に設立された非銀行専門金融会社です。ベンチャー企業に特化してシニア担保ローンの提供をしている特徴があります。また、BDC銘柄の中では時価総額が9番目に位置しています。
HTGCの基本情報は下記になります。
ステッカー | HTGC |
会社名 | Hercules Capital, Inc. (ハーキュリーズ・キャピタル) |
上場 | NYSE |
時価総額 | 1,316.95百万ドル=1,382.8億円 |
配当利回り | 8~11% |
配当月 | 2,5,8,11月 |
ウェブサイト | Hercules Capital | Venture Debt – Business Capital – Funding (htgc.com) |
ハーキュリーズ・キャピタル(HTGC)の特徴
ここからは、HTGCの特徴をポートフォリオや株価、配当金の推移の観点から見ていきましょう。
投資先
- テクノロジー業界への投資
全開発段階にある技術、バイオテクノロジー、ライフサイエンス、エネルギー及び再生可能エネルギー技術等の技術関連業界へ投資しています。ZOOMも対象の企業でした。
- コンピュータソフトウェア
- ハードウェア
- ネットワーキングシステム
- 半導体・半導体設備
- 情報技術インフラ・サービス
- インターネットコンシューマ・ビジネスサービス
- 電気通信・電気通信機器
- 再生可能または代替エネルギー
- メディア
- ライフサイエンス製品・サービス
財務状況
(単位:百万ドル) | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
売上高 | 175.05 | 190.88 | 207.75 | 267.87 | 287.26 |
営業利益 | 100.34 | 96.44 | 108.73 | 143.27 | 157.14 |
当期利益 | 68.70 | 79.00 | 76.50 | 173.60 | 227.26 |
1株当たり利益(EPS) | 0.95 | 0.83 | 1.71 | 2.02 | |
1株当たり配当 | 1.24 | 1.24 | 1.26 | 1.33 | 1.38 |
HTGCの財務状況を見てみると、安定して利益を得られていると感じます。テクノロジー産業が活発化していく中なので、2019年の利益は大きくなり少しずつ増配傾向ではあります。
安定したインカムゲインを得るにはHTGCはおすすめの銘柄と言えます。
配当推移
年月 | 配当(ドル) | 配当利回り |
2020年11月 | 0.32 | 8.33% |
2020年8月 | 0.32 | 11.10% |
2020年5月 | 0.32 | 11.93% |
2020年2月 | 0.4 | 11.95% |
2019年11月 | 0.35 | 8.38% |
2019年8月 | 0.34 | 9.38% |
2019年5月 | 0.33 | 9.86% |
2019年2月 | 0.31 | 9.55% |
2018年11月 | 0.02 | 9.44% |
2018年8月 | 0.31 | 9.81% |
2018年5月 | 0.31 | 9.21% |
2018年2月 | 0.31 | 10.02% |
2017年11月 | 0.31 | 10.00% |
2017年8月 | 0.31 | 9.93% |
2017年5月 | 0.31 | 9.25% |
2017年2月 | 0.31 | 8.06% |
2016年11月 | 0.31 | 8.04% |
2016年8月 | 0.31 | 9.08% |
2016年5月 | 0.31 | 9.30% |
2016年2月 | 0.31 | 10.41% |
2015年11月 | 0.31 | 11.98% |
2015年8月 | 0.31 | – |
2015年5月 | 0.31 | – |
2015年2月 | 0.31 | – |
- 安定した配当
- 配当利回り8~11%
- リーマンショック以降は減配
リーマンショック以降では減配しており、そこから回復してからは0.31~0.32ドルの配当を出し続けています。配当額が変わらず安定した特徴をもっており、配当目的の方にはおすすめの銘柄だと言えます。
※楽天証券より引用
HTGCの過去10年分の株価チャートです。
- 長期でみると多少の上昇傾向、もしくは横ばい傾向
HTGCの株価は長期でみると多少の上昇傾向ではあります。10年間のリターンはS&P500よりも上ですが、BDC銘柄の代表格であるARCCやMAINに比べると、リターンは劣ります。
- コロナショックでの下落率は52.8%
BDC銘柄は経済影響をもろに受けやすい特徴があります。HTGCに関してもコロナショック時には、半値まで下落していますので、リスクがある銘柄ではあります。
- 内部管理型
外部の企業に管理されているBDCは、内部管理されているBDCの管理手数料に比べると最大2倍も違います。BDC銘柄の多くは外部企業に管理されていますが、HTGCに関しては内部管理のBDCのため優良なBDCといえます。
- 安定した配当
株価自体は少し不安定ですが、配当は定額を出していますので安定しています。長期的に配当目的で持っておきたい方には最適な銘柄だと言えます。
HTGCに投資する際のポイント
- 楽天証券で購入可能
ORCCは、楽天証券で購入可能です。そのほかの代表的なSBI証券やマネックス証券では取り扱いがないので注意しましょう。過去にマネックス証券でも数多くのBDC銘柄を取り扱っていましたが、取引停止となりました。
- 株価が下落したときに購入
株価の下落率が高めですので、そのタイミングを狙って買うのがいいと思います。タイミングによっては大きなキャピタルゲインとインカムゲインを取れる可能性もあります。
- 安定したインカム狙いで定期的な買い付けもあり
配当利回り11%という高配当株を安定して得られる銘柄ではありますので、ポートフォリオを低めに設定して買い付けていくのもありだと思います。
まとめ
- 配当利回り「8~11%」のBDC銘柄
- テクノロジー業界のベンチャーに特化して投資
- 安定した配当
- 下落率53.8%と高めのため、リスクはある
- 楽天証券で購入可能
以上が、BDC銘柄であるHTGC(ハーキュリーズ・キャピタル)についてでした。
増配傾向は薄いですが、安定して高い配当利回りを得られる良い銘柄だと思います。楽天証券で購入できますので、本記事が投資の判断材料になりましたら幸いです。
Have a nice save!