本記事では、BDC銘柄である【MAIN】メイン・ストリート・キャピタルについてまとめたものです。
米国のBDC銘柄は、仕組み上超高配当を得ることが可能な銘柄になります。よりインカムゲインを得るには非常に魅力的な銘柄です。
今回は、楽天証券で買える高配当かつトータルリターンも高い【MAIN】メイン・ストリート・キャピタルについて詳しく解説していきます。
目次
高配当を出し続けるBDC銘柄とは?
BDC銘柄とは【Business Development Company】の略で、事業開発会社のことでいわゆる投資会社です。
- 新産業や有望なベンチャー企業の事業開発へ投資
- 金銭面だけではなく、経営面でもサポートしている
- ベンチャー企業などは一般企業に比べて銀行からの融資を受けにくく、BDCが投資することにより大きなリターンを得ている
- 投資先の企業を上場させることでさらなるリターンを得る
- 1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えなければいけない
- 資産の70%を適格投資対象(時価総額2.5億ドル以下の未公開企業の株式、ローン、債券など)に投資しなければならない
なぜ配当利回りが高いの?
BDCは、利益の90%以上を投資家への配当にすることによって、法人税を免除することができます。
つまり投資家がBDC企業に投資することで、そのお金で未上場のベンチャーなどに投資し、その高いリターンを投資家へ還元してくれるという仕組みになります。
メインストリートキャピタル(MAIN)の概要
MAINは、2007年に設立し2010年に上場した投資会社です。主に年間1000万ドルから1億ドルの収入がある中小企業へ債券発行・株式投資を行っています。また、BDC銘柄の中では時価総額が3番目に位置しています。
MAINの基本情報は下記になります。
ステッカー | MAIN |
会社名 | Main Street Capital Corp (メイン・ストリート・キャピタル) |
上場 | NYSE |
時価総額 | 2,033.9百万ドル=2,135.6億円 |
配当利回り | 6~8% |
配当月 | 毎月 |
URL | https://www.mainstcapital.com/ |
メインストリートキャピタル(MAIN)の特徴
ここからは、MAINの特徴をポートフォリオや株価、配当金の推移の観点から見ていきましょう。
ポートフォリオ
※メイン・ストリート・キャピタルホームページより
MAINのポートフォリオを見てみると、産業別・地域別にみてもほぼ均等に投資されており、広く分散されたポートフォリオだと言えます。
産業を比率が高い順に並べると下記の通りです。
- 機械産業:7%
- 航空宇宙・防衛産業:6%
- 建設:6%
- 医療:6%
- インターネットサービス:5%
さまざまな異業種へ分散されているのが分かります。つまりアメリカの中堅企業全体が成長すればMAIN自身も成長するような仕組みとなります。
財務状況
(単位:百万ドル) | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
売上高 | 178.34 | 205.74 | 233.36 | 243.37 | 222.61 |
営業利益 | 115.80 | 135.37 | 156.65 | 157.37 | 137.95 |
当期利益 | 138.90 | 170.62 | 168.21 | 129.57 | 29.38 |
1株当たり利益(EPS) | 2.96 | 2.80 | 2.06 | 0.45 | |
1株当たり配当 | 2.91 | 2.79 | 2.85 | 2.92 | 2.46 |
MAINの財務状況を見てみると、安定して利益を得られていると感じます。しかし、配当額がEPSより上回ってしまってるのでそこは懸念点と言えます。
安定したインカムゲインを得るにはおすすめの銘柄と言えます。
売上自体は年々右肩上がりとなっています。会社の規模が大きくなっていることを示します。
営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益を表しています。
2018年、2019年はほぼ同水準でしたが、右肩上がりです。
当期利益とは、会社の決算時に最終的に残った利益のことを指します。
MAINの利益は長期的にみると右肩上がりの傾向にありますが、直近の利益が下がっているので今後は注意が必要かもしれません。
営業キャッシュフローは企業が本業で稼いだお金から、営業活動に必要なコストを差し引いた現金収支のことです。
投資会社になりますので、マイナスになりやすいい傾向にあります。長期的に利益を確保できていければいいと思います。
フリーキャッシュフローとは「会社が自由に使えるお金」のことでいわば、貯金のようなものです。これは多ければ多いほど良いです。
MAINは投資会社ですので、お金が出ていくことが多いです。しかし、ほとんどの年でマイナスになっており懸念点と言えるでしょう。
これは配当金の支払額の推移になります。会社の規模、増配に伴い支払額が上がってきているのがわかります。
これは負債の額を表したものです。負債の額が年々膨れ上がってきており、懸念点といえます。
上記は総資産の推移を表したもので、MAINは年々右肩上がりの傾向です。
配当推移
※みんなの米国株サイト (usa-kabu.com)より引用
支払年月 | 配当(ドル)/月 | 配当利回り |
2019年6月~2021年2月 | 0.205 | 6~9% |
2019年4月~2019年5月 | 0.2 | 6% |
2018年9月~2019年3月 | 0.195 | 6~7% |
2017年9月~2018年8月 | 0.19 | 5~6% |
2016年7月~2017年9月 | 0.185 | 5.7~6.5% |
2015年10月~2016年8月 | 0.18 | 6.5~8% |
2015年4月~2016年7月 | 0.175 | – |
2014年10月~2015年3月 | 0.17 | – |
- 毎月配当
- 1年ごとに0.05ドルの連続増配
- 配当利回りは低め
MAINは広く分散投資されているため配当も安定しいます。年々増配傾向ですので安定した配当収入を得たい人にとってはおすすめの銘柄と言えます。
株価
※楽天証券より引用
MAINの過去10年分の株価チャートです。
- 長期でみると右肩上がり
MAINの株価は長期でみると右肩上がり傾向です。米国BDCのなかではキャピタルゲインもインカムゲインも大きく得られる特徴的な銘柄と言えます。
- コロナショックでの下落率は55%
BDC銘柄は経済影響をもろに受けやすい特徴があります。MAINに関してもコロナショック時には、半値まで下落していますので、リスクがある銘柄ではあります。MAINは、BDC銘柄の中でも大きく影響を受けやすいと感じます。
MAINの魅力
- 過去のトータルリターンはS&P500の2.5倍
過去13年間のトータルリターンを表したグラフになります。紺色:MAIN 赤:S&P500
2007年に同額を投資した場合のリターンですが、
- S&P500:+118.5%
- MAIN:+298.3%
アメリカの市場平均を2.5倍も大きく上回る成長ぶりです。これはMAINがアメリカの多種多様の産業・企業に分散投資されており、アメリカ全体が成長すればMAIN自体の株価も上がる仕組みになっています。ですのでキャピタルゲインも大きく狙える銘柄といえます。
MAINの懸念点
- 他のBDC銘柄に比べて配当利回りが低い
BDC銘柄 | 配当利回り |
MAIN | 5.5~8% |
ARCC | 9~11% |
ORCC | 9~10% |
NEWT | 9~13% |
PSEC | 11~13% |
MAINが配当利回りが低い理由としては、広く分散投資されていることと株価が成長しているからです。広く分散されていることにより安定した収入が得られる一方いきなり大きな収入を得られることがないからです。
また株価も成長傾向ですので、それに伴って配当利回りが低くなっていくからです。
MIANに投資する際のポイント
- 楽天証券で購入可能
MAINは、楽天証券で購入可能です。そのほかの代表的なSBI証券やマネックス証券では取り扱いがないので注意しましょう。過去にマネックス証券でも数多くのBDC銘柄を取り扱っていましたが、取引停止となりました。
- 株価が下落したときに購入
株価の下落率が高めですので、そのタイミングを狙って買うのがいいと思います。タイミングによっては大きなキャピタルゲインとインカムゲインを取れる可能性もあります。
- 安定したインカム狙いで定期的な買い付けもあり
過去の実績からすると右肩上がりの傾向ですので、毎月定額投資もありなのではと思います。しかし、下落時の打撃はかなり大きいものですので、リスクの取りずらい方はポートフォリオの比率は低めに設定しておくことがよいでしょう。
まとめ
- 配当利回り「6~8%」のBDC銘柄
- 毎月配当
- トータルリターンはS&P500の2.5倍
- さまざまな産業・地域の中小企業へ投資
- 下落率55%と高めのため、リスクはある
- 楽天証券で購入可能
以上が、BDC銘柄であるMAIN(メイン・ストリート・キャピタル)についてでした。
毎月配当とS&P500よりもトータルリターンという点が大きな魅力言えます。しっかりリスク許容度を踏まえれば投資する価値のある銘柄だと思います。楽天証券で購入できますので、本記事が投資の判断材料になりましたら幸いです。
Have a nice save!