本記事では、BDC銘柄であるブルー・オウル・キャピタル・コーポレーションについてまとめたものです。
BDC銘柄は、ほとんどが配当利回り「10%」を超える米国の高配当株になります。インカムゲイン狙いの投資家にとっては魅力を感じると思います。高配当すぎるが故にリスクもあります。
米国のBDCで代表的な銘柄はARCC(エイリス・キャピタル)ですが、今回はBDC銘柄で時価総額2位に位置するOBDC(オウル・ロック・キャピタル)について解説していきたいと思います。
OBDCがどのような特徴がある銘柄で、投資してみようと考えてらっしゃる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
高配当を出し続けるBDC銘柄とは?
BDC銘柄とは【Business Development Company】の略で、事業開発会社のことでいわゆる投資会社です。
- 新産業や有望なベンチャー企業の事業開発へ投資
- 金銭面だけではなく、経営面でもサポートしている
- ベンチャー企業などは一般企業に比べて銀行からの融資を受けにくく、BDCが投資することにより大きなリターンを得ている
- 投資先の企業を上場させることでさらなるリターンを得る
- 1銘柄当たりの構成比率を全体の25%以下に抑えなければいけない
- 資産の70%を適格投資対象(時価総額2.5億ドル以下の未公開企業の株式、ローン、債券など)に投資しなければならない
なぜ配当利回りが高いの?
BDCは、利益の90%以上を投資家への配当にすることによって、法人税を免除することができます。
つまり投資家がBDC企業に投資することで、そのお金で未上場のベンチャーなどに投資し、その高いリターンを投資家へ還元してくれるという仕組みになります。ですので、必然的に高配当になるということです。
ブルー・オウル・キャピタル・コーポレーション(OBDC)の概要
OBDC(旧ORCC)は、2019年7月にNYSEに上場したばかりのBDCです。主に、米国の中堅企業へクローズドエンドで投資しています。クローズドエンドとは、組み入れ資産の時価に基づく純資産価格での買い戻しや解約を原則認めてないものです。
OBDCの基本情報は下記になります。
ステッカー | OBDC |
会社名 | Blue Owl Rock Capital Corp(オウル・ロック・キャピタル・コーポレーション) |
上場 | NYSE |
上場日 | 2019年7月18日 |
時価総額 | 4,727.8百万ドル=4,967億円 |
配当利回り | 8~10% |
配当月 | 2,5,8,11月 |
ホームページ | Owl Rock (owlrockcapitalcorporation.com) |
オウル・ロック・キャピタル(ORCC)の特徴
ここからは、ORCCの特徴をポートフォリオや株価、配当金の推移の観点から見ていきましょう。
※ORCCのHPより引用
2021年1月現在のポートフォリオ
- 総資産額:102億ドル
- 投資先数:110銘柄
- シニアローンの比率:97%
- 変動金利:99%
シニアローンの中でも、80%は最優先部分ですので債権回収リスクは低めと言えます。ちなみにシニアローンとは、他の債権に比べると返済順位が高く、ローリスクの負債のことです。シニアローンは、貸付時に担保を差し押さえるのが一般です。
OBDCは、シニアローンを多く含んでいるため比較的リスクは抑えられ、配当利回りも10%超えですので、インカム狙いの人にとっては良い銘柄だと思います。
(単位:百万ドル) | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
売上高 | 28.80 | 159.88 | 388.86 | 718.02 | 803.29 |
営業利益 | 9.01 | 93.79 | 245.52 | 498.91 | 517.46 |
当期利益 | 16.64 | 103.74 | 202.24 | 498.00 | 387.74 |
1株当たり利益(EPS) | 0.04 | 0.27 | 0.53 | 1.53 | 1.00 |
1株当たり配当 | 0.06 | 1.35 | 1.42 | 1.12 | 1.56 |
過去の財務状況を見てみると、売上高・利益・配当どれを見ても年々右肩上がりで高財務とよべるでしょう。コロナ禍であった2020年は売上・営業利益は2019年より上がっています。しかし利益自体は2019年より下回っておりますが、そこまで打撃は少なかったと感じます。
年月 | 配当(ドル) | 配当利回り |
2021年2月 | 0.39 | 9.27% |
2020年11月 | 0.39 | 10.49% |
2020年8月 | 0.39 | 10.29% |
2020年5月 | 0.39 | 10.14% |
2019年2月 | 0.39 | 7.83% |
2019年11月 | 0.39 | 7.37% |
OBDCの配当月は2,5,8,11月になります。
配当推移をみても配当額が変わらず安定しておりますので、配当目的の方にはおすすめの銘柄だと言えます。配当利回りは変化しているのは、2020年までの株価の変化が大きかったためです。
※楽天証券より引用
ORCCの上場後から現在までの株価チャートです。
- コロナ前:株価は16~18ドルぐらいを推移
- コロナショック:9ドルぐらいまで割り込み、ほぼ半値まで下落
- コロナショック後:12ドル付近を横ばいで推移し、現在少し右肩上がり
経済影響で株価が一気に下落するリスクはありますが、平常時の株価は安定しています。配当利回りが高めですので、減配がなければ安定した配当を狙える銘柄だと思います。
上場からまだ日があまり経っていないので、今後株価や配当がどうなっていくかがわからないという点があります。コロナショックでは株価は半値近くまで下落して持ち返しましたが、金融危機が起きたときどのようになっていくかが不透明です。
ORCCに投資する際のポイント
- 楽天証券で購入可能(国内の証券では取引不可)
ORCCは、楽天証券で購入可能です。そのほかの代表的なSBI証券やマネックス証券では取り扱いがないので注意しましょう。過去にマネックス証券でも数多くのBDC銘柄を取り扱っていましたが、取引停止となりました。
- 買いのタイミングは株価が下落したとき
株価の下落率が高めですので、そのタイミングを狙って買うのがいいと思います。タイミングによっては大きなキャピタルゲインとインカムゲインを取れる可能性もあります。
- ポートフォリオの比率は基本低めに設定しておくこと
OBDCに限ったことではないですが、BDC銘柄は高配当故リスクは付きものです。自分がどれくらいのリスクに耐えられるか(株価下落時、減配時など)をしっかり把握しましょう。それを踏まえて、高いリターンを取るか、下落相場時のリスク(株価、減配など)を天秤にかけて投資していくべきかと思います。
現在、私のポートフォリオでのOBDCの比率は1.7%ほどで、もっと買い増して全体の5%ぐらいの比率にとどめておこうと考えています。
まとめ
- OBDCはシニアローンの多く含んでおり、債権回収リスクは低め
- 平常時の株価は安定しており、配当利回り10%超えの高配当
- 上場から日が浅いため動きが不透明
- 金融危機に弱く、配当狙いのリスクが取れる人向け
- 楽天証券で購入可
以上が、BDC銘柄であるORCC(オウル・ロック・キャピタル)についてでした。投資の判断材料として少しでも参考になりましたら幸いです。
Have a nice save!